Danny O’keefe ダニー・オキーフ / Breezy Stories

Hi-Fi-Record2011-06-19

このレコードは
1973年の発売だが
当時ぼくは5歳で
さすがにそんな昔のことは覚えていない。


このレコードを見て思い出すのは
むしろ
1990年代前半の感じ。


シンガー・ソングライターのレコードに
見過ごされているが
聴けばおもしろいものがあるはずだと思って
あちこちの店を回った。


当時はそういう若者たちがたくさんいて
ぼくもそのひとりだった。


今でも覚えているのは
ぼくよりすこし年下(3〜4歳くらい)の世代の男の子たちが
古本屋で買った「ミュージックマガジン」を肴に
「73年頃の、
 レコード屋の広告に載ってるレコードは
 のきなみヤバいから買う」
と言っていたこと。


その子たち
センスがいいなと思ったのは、
本誌で紹介されている
日本でも発売されたレコードや
当時名盤と称されたレコードだけではなく
カット盤の入荷案内など
お店という現場で求められた盤に価値を見いだしていたところだった。


ぼくの感覚だと
ダニー・オキーフのこのレコードは
発売された73年当時と
90年代前半の2回
日本で流行っている。


もちろん
一般的な流行という意味で言えば
ずっとずっとミニマムだけど。


20年で歴史がサイクルするのなら
もうしばらくしたら
またホットに感じられる時代が来るのかな。


そんなことはとくに考えず
ひさびさに通して聴いたが
やっぱり好きなレコードだった。(松永良平