Bob Lind / Don’t Be Concerned
初めて聴いたのは、いつのことだったか。もしかすると、買い付けで日本とアメリカを往復する際に利用する飛行機の機内かもしれない。なんとなく気になったのだ。それからしばらくして、といっても何ヶ月か、いや一年くらいしてからか、ボブ・リンドのこの歌だとわかった。
調べてみると1966年春に全米チャートの5位にランク・インしたとある。これだけヒットしていれば、飛行機内のエンターテイメントの一曲として用意されていたとしても、うなずける。
日本でも少しはヒットしたのかと思って、当時のAMラジオ・チャートを調べみると、一年間に渡って一回たりとも登場していなかった。
そうなると、やっぱりヒットした当時には聞いていないはずだ。邦題は「夢の蝶々」だという。これも最近になった知ったタイトル。やはりここ何年かのあいだに耳にして、気持ちにしみ込んできたのだろう。
動画投稿サイトには、ボブがテレビ出演している60年代当時の映像が容易にみつかる。
ギターの手元をよく見ると、メジャー7thのコードが巧みに挟み込まれていて、これがメロディと歌唱のナイーヴな気分を生み出していることがわかる。
ボブ・リンドのホーム・ページに掲載されている写真は、写真はヘンリー・ディルツが撮影したものだった。イールグスの「ホテル・カリフォルニア」のジャケット写真を撮影したカメラマンだ。ジャクソン・ブラウンやモンキーズや、ロスの周辺の数限りないミュージシャンの写真を撮影している。彼自身もミュージシャンだった。
最近になって、こんなに好きな曲が生まれたこと、そしてひとまずここまでのつながりに、なんだかうれしくなる。(大江田信)
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