Maria Muldaur マリア・マルダー / Maria Muldaur

Hi-Fi-Record2011-06-26

 お買い上げがあったので、補充用のストックを取り出して、検品のために試聴した。
 久しぶりに聴く。かつてアルバムが発表された1973年当時に数限り無く聴いたし、折りに触れては聴いているので、懐かしい感情にとらわれるかと思ったら、全くそんなことはなかった。新しい発見があったし、それにしてもよく考えられているなあと感心したり。「In My Tennessee Mountain Home」を聴きながら、ドリー・パートンの歌だったと思い出して、彼女が書いて来た作品の素晴らしさに、改めて驚いたりした。単に豊胸手術をしただけのおばさまではないのだ。


 自宅にあるレコードには、ミュージシャンのサインがいくつか入っている。アルバムの裏ジャケットのミュージシャンの顔写真の下に、それぞれサインをもらおうと思っていたのだが、ビル・キースとエイモス・ギャレットに書いてもらって、そのあたりで望みはついえた。


 そのエイモスが間奏を弾いているのが、「Midnight At The Oasis」だ。1973年に、ビルボード・チャート6位の大ヒットになった。マリアを代表する作品だ。


 楽曲の全篇にエイモスのギター・フレーズが配してある。小気味よく歌と絡む具合がとてもいい。それにもまして素晴らしいのが、間奏のフレーズである。
 これを考えるのに、相当の時間がかかったらしい。間奏を弾く事が決まってから一週間ほどの間に悩みに悩んだと本人から聴いた気がする。
 ああ、そうなのか、ちょっと聴くとアドリヴってぽく聞こえるけれども、あれは相当に考えられたフレーズなのだと知ったのだ。ディレクター一年生頃の事だった。(大江田信)


PS
 本日、爆音映画祭のプログラムの一つ、「アメリコの夜」にお迎え頂き、大江田がお話をすることになりました。アメリコの西岡由美子さんの手のひらで、ころがってみようかなと。はい。今からドキドキしています。


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