Joe Harnell ジョー・ハーネル / Golden Piano Hits

Hi-Fi-Record2011-07-01

 昨日の続き。

 ジョー・ハーネルは、もともとワルツだった「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」を、4拍子のボサノヴァ仕立てにしてヒットさせ、1963年のグラミー賞ベスト・ポップ・インストルメンタル・パフォーマンスを授賞したピアニスト。ジュディ・ガーランドマレーネ・デートリッヒの伴奏ピアニストを経て、50年代の末から60年代初頭にかけては、ペギー・リーのバンドのバンマスで、アレンジャーとしてレコーディングを仕切っていた。


 アルバム「Golden Piano Hitsの冒頭に、「ミザルー」が収録されている。華やかでキラキラした雰囲気だ。
 たびたび買付に行く街でギリシャ・レストランでよく昼食を食べていた。たとえばあのレストランで感じられるような、アメリカに移住して来たギリシャ系のコミニュティの中で親しまれたとされる風情は、ほぼ感じられないような気がする。
 

 ジョー・ハーネルが、「ミザルー」を取り上げるのは、ラウンジ・ピアニストの先輩、ジャン・オーガストの十八番だったから。
 ジャン・オーガストのヴァージョンは、1946年12月28日から6週間に渡ってチャート・イン、最高位7位のヒットとなった。このヒットを契機に、ジャン・オーガストはフランキー・カールやカーメン・キャヴァレロに次ぐ人気ピアニストになったという。おそらくこののちから、ラウンジ・ピアニストの定番曲となったのだろう。


 ちなみにこのアルバムでも、ニック・ロウバニスの名前が作曲者としてクレジットされている。(大江田信)


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