Frank Chacksfield フランク・チャックスフィールド / Ebb Tide
かつてレコード・コレクターズ誌において連載されていた「ハジレコ」のコーナーで、自分の初レコードのことを書いたことがある。「ハジレコ」とは、「初めて買った&恥ずかしい」レコードと、二つの意味をかけている点でまさに名言と思い込んでいるのだが、そういえば編集者の方たちはどのような意図で名付けたのだろう。
先日、ぼくが初めて買ったレコードのことを、人前でお話しする機会があった。
小学校4年生のぼくは、ピーター、ポール&マリーの「パフ」と、フランク・チャックスフィールド・オーケストラの「引き潮」を店頭で試聴して確認させてもらってから「パフ」を買った。ともにそれまでラジオで何回も聴いていた曲を改めて聞いて、「パフ」にした。
初めてレコードを買う小学生が、ことさら音楽のジャンルを意識して買うことは無い。単に「パフ」と同じくらいに「引き潮」がラジオでかかっていたから、このどちらかを買おうと思ったに過ぎない。言い換えれば「引き潮」をはじめとするポップス・オーケストラを、ラジオから何の気無しに聞いていたということでもある。
自分が初めて買おうとしたレコードが、フォークとポップス・オーケストラだったということ、この事実を自分で振り返ってみて、最近になってふと興味深いと思い返すことがある。三つ子の魂なんとやらかなと、思ったりもするので。
ということで「引き潮」収録のアルバムがこれ。
トークショウの場で、「引き潮」を一緒に聞いてくれた司会の西岡由美子さんが、「とてもいい曲ですねぇ」と言ってくれたのが、とてもうれしかった。(大江田信)
試聴はこちらから。