PIZZICATO ONE / 11のとても悲しい歌(LP)

Hi-Fi-Record2011-08-02

小西康陽=PIZZICATO ONEのアルバム
「11のとても悲しい歌」の
アナログ盤のジャケットを見たとき、


あ!


と思ったのだが、
それが何に対しての「あ!」だったのか
最初は思い出せなかった。


思い出せ、思い出せ。
シチュエーションは全然異なるけれど、
ぼくはこのジャケットを知っている。
でも
その名前が思い出せない。


ぼくの知ってるジャケットは
もっと晩夏から秋口くらいの
緑色と茶色の間みたいな背景で
やっぱり
若い男が12分割で立っているものだ。


ああ、
あれはだれだっけ?


発売日は明日だが
今日の夜からネットでは販売を開始する。
そのために
届いたレコードをしげしげともう一度見た。


撮影用の丸い反射板(丸レフというらしい)を抱えて
いろいろなポーズを撮る小西さん。


遊んでいるようでもあるし
なにかを試しているようでもある。


帽子の被り方は
いつものように深く。


帽子……。
帽子……?


ああ、帽子!


そのとき一気に謎が解け、
ぼくはこのジャケットの原典というか
ちょっとしたオマージュというか
そんな思いが捧げられているのかもしれない、
あるアメリカ人アーティストのレコードのことを思い出したのだ。


無骨なウェストコーストの音だが
ソフトな浮遊感みたいな
どこかさびしげで
さまよった気分が印象的なレコードでもあった。


あえて
答えは書かない。
ヒントは帽子。


たくさんご予約をいただいたので
おかげさまで
このアナログの残数は
はやくも少ない。


みなさま
お早めに。


解答は
そのうち
ぼくにこっそり訊いてください。(松永良平