The Dutch Swing College Band / Meets Joe Venuti

Hi-Fi-Record2011-08-17

 落語家さんのマネージャーさんに話を聞いた。それが面白かったもので忘れないうちにここに書いておきたい。


O 師匠に稽古をつけてもらって話を覚えるって聞きますけど、ホントなんですか?
A そうです。ただし必ずしも師匠じゃなくて、先輩筋でも良いし、この話はこの人に稽古を付けてもらうといいよと教えられて、行くこともありますね。最近では稽古を付けてもらう時にテープに取っておいて、それを聴きながら覚えるみたいです。
O 稽古をつけてもらう時には、お礼を払うんですか?
A それは払いません。お菓子を持って行くとかすることはありますけど。教えるほうは、誰にでも教えます。師匠筋とかはあまり関係ないみたいです。そうやって自分も教えてもらって来たからという理由で、若い世代にもただで教えます。
 昔は三回稽古をつけてもらったんですけど、今は一回で済ませて、録音したテープを何回も聴きながら覚えるんですね。
0 じゃあ落語家さんは、寄席や演芸場などの興行だけが収入なんですか?
A ほとんどそうです。
O 前座の方もそうなんですか?
A 前座は師匠の寄席の出番の日には、一日中お世話をします。師匠の着物を畳んだり、お茶を出したり、荷物を持ったり、タクシーを手配したり。
O その間に芸を覚えたりするんですよね。
A そうです。前座さんは、一日が終わると、最後に師匠から5千円か、一万円をもらいます。そうして月に何十日かを働くこともあるので、売れている前座さんだと月収が何十万にもなることがあるんです。売れてる前座さんって、ちょっと変だけど(笑)。誰もが、こうやって育ったっていうんで、こうした方式は変わっていませんね。
O お花やお茶や踊りの世界のように、お師匠さんにお礼のお金を渡したりしないんですか?
A それはしません。芸をタダで教えるっていうのは、落語の世界では今でもあたりまえに続いています。漫才では、だんだんそうじゃなくなって来て、特に関西では吉本の学校に入って漫才を覚える。あとはテレビでどう売れるかだから。



 こんな話から落語家さんへのギャラの渡し方、あるいはもらい方の話になった。
 知らない世界のことを聴くのは面白い。売れてる前座さんの話には、笑った。
 「自分がそうしてもらったから、若い人にもそうする」って言うのは、いいなあと素朴に思った。
 伝統が守られていく際に大切な基本的なことのひとつと思う。


 これも一種の伝統音楽。
 学生(!?)たちの楽しそうな顔が素晴らしい。
 そして教授の演奏も、素晴らしい。(大江田信)


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