Dionne Warwick ディオンヌ・ワーウィック / Dionne

Hi-Fi-Record2008-06-06

 久しぶりにこのアルバムを聴いた。
 制作に当たったのは、ハル・デヴィッドとバート・バカラック。ディオンヌをスターダムにのし上げた60年代きっての作家コンビだ。


 じんわりともりあがっていく情感。大見得を切る事は無いけれども、地味深いサウンドと確実な歌唱。バラエティにとんだ作品群。
 きちんとした実力を持つプロの技が掛け合わさっている。
 A、B面を通して聴き終えて、改めて気づく。
 通好みの作品だと思う。


 ハイファイのサイトをチェックしてみると、「素晴らしいのはドン・セベスキー・アレンジのレスリー・ダンカン・カヴァー『Love Song』なのですよ」とある。まさしくその通り。思わず膝を打った。
 母性的な暖かさを感じさせるレスリー・ダンカンのオリジナル・ヴァージョンとは、また違う風景が引き出されている。苦みが隠されているというか、陽光が照らし出す、その影も映り込んでいるというか。不思議な聴後感。(大江田 信)