Dionne Warwick ディオンヌ・ワーウィック / Dionne
久しぶりにこのアルバムを聴いた。
制作に当たったのは、ハル・デヴィッドとバート・バカラック。ディオンヌをスターダムにのし上げた60年代きっての作家コンビだ。
じんわりともりあがっていく情感。大見得を切る事は無いけれども、地味深いサウンドと確実な歌唱。バラエティにとんだ作品群。
きちんとした実力を持つプロの技が掛け合わさっている。
A、B面を通して聴き終えて、改めて気づく。
通好みの作品だと思う。
ハイファイのサイトをチェックしてみると、「素晴らしいのはドン・セベスキー・アレンジのレスリー・ダンカン・カヴァー『Love Song』なのですよ」とある。まさしくその通り。思わず膝を打った。
母性的な暖かさを感じさせるレスリー・ダンカンのオリジナル・ヴァージョンとは、また違う風景が引き出されている。苦みが隠されているというか、陽光が照らし出す、その影も映り込んでいるというか。不思議な聴後感。(大江田 信)