木田高介 / Dog’s Map And Cat’s Map
The Cool School 29 ドッグス その4
「犬がお腹を見せたら
それは気を許してる証拠だよ」と言ったのは、ぼくの弟だったか。
瀟洒な大学街にある
アナログ一筋のレコード屋。
この店にも
またまたレコード犬がいる。
ダックスフンドではないけれど
体が長くて
足の短い小型犬。
ちょこちょこちょこちょこと
店内を忙しそうに走り回る
みなに愛されているマスコット。
いっぱいレコードを買って
帰ろうとしたときに
ころんと転がってお腹を見せて
はあはあ、と息を吐いた。
たぶん、
「ありがとう」のつもりかしら。
それを見て
そのときに同行していた弟が
上のセリフを言ったのだ。
犬のうしろをついていったら
宝の隠し場所がありました、なんて
童話に出て来るようなミラクルも
こういう犬なら信じたくなる。
実際、
あとをつけてみたら
今まで知らなかったお店の奥に入り込んでしまって
そこで見知らぬレコードをたくさん発見なんてこともあった。
残念ながら
今、その名前が思い出せない。
きっとそろそろ行くべきころだよと
犬が知らせてくれているのだろう。
あの犬に会いたくて
買付けに行く。
そういう動機もあっていいじゃないか。（この項おわり）
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この連載を書きながら、
全米のレコード犬マップと
レコード猫マップでも
作ってみようか、なんて
ぼんやりと考えていたら、
ズバリのタイトルのレコードが存在して
おどろいてしまった。
レコード猫の話は
またいつか。
そうそう。
実は買付に行ってたのです。
近日中に
またレコードどっちゃり出しますので
どうぞよろしく。（松永良平）
